「素直さ」の10年後。

突然ですが、約10年前、銀行員をしていました。

そうなんです、わたし社会人デビュー時はエリートだったんです。今頃同期はきっと1000万円プレイヤー。うーんうらやま。

金融に行きたかった理由は、お金のことに詳しくなったら将来的に絶対役立つし、おばあちゃんになってもオレオレ詐欺に負けないだろうと思ったから。適当だけれど理にかなった理由でしょ?

しかし私は大学で部活を頑張りすぎていたので、就活の実情や裏技をまったく調べておらず、ESや面接に落ちまくっていました。最終面接で自己アピールさせてもらえなくて、担当したおじさんにブチ切れたりもしました。そのまま行ってたら通ってたのに、おばか。

そんなこんなで、やっとこさ受かった銀行です。私は内定してから人事の方に聞きました。「なぜ私を取ったんですか?」って。

そうしたら「うーん、素直そうだったから」って。

おう、それだけ?他に何かなかった?「仕事ができそう」とか「気が使えそう」とか、さ!

でも「素直さ」だけで私を雇ってくれた会社は、本当に優しいと思います。だから精一杯仕事をしよう、とそのとき決めました。

その答えを聞いてから約10年。銀行はとっくに卒業し、不動産やら証券やらITやらとにかく渡り歩いて、会社員以外の働き方も模索して。

誇らしい思いも恥ずかしい思いもたくさん経験して、とにかく濃くて濃くてその濃度に溺れそうな時を過ごして、あっという間に10年が経った今、私はなぜかライターをしています。

まったく一貫していない人生。でも愛すべき人生。今のわたしは本当に素のまま生きていて、人にやらされていることが一つもなくて、控えめに言って幸せだから。

私をここまで運んだのは、あのときに私の長所として認識された「素直さ」だったのかな。

ずっとずっと素直だったわけじゃない。数年間単位で「優等生」「社会人として立派」「こうあるべきという理想」で生きていた時代もあります。

そういうときは、収入や名声や「あゆみさんすごい」という視線は増えるけれど、自分の中では「なんか違うのでは?」という疑問がむくむく湧いてきて、いつか爆発して、元の路線に戻ってくる。

素直でいたいと思う。けれど目の前のいろいろなものに翻弄されて、素直さが遠くに出張してしまうこともある。

そして一定期間素直さがいなくなると、自分が本当にしたいことは何か、本当に大切なものは何か、わからなくなる。

だから、これからもなるべく素直でいたい。いろいろ困るかもしれないけれど、それは困ったときに考えます。

そしてまだ生まれてまもない息子も、素直に育ってほしいと思う。まあすでにやりたい放題で、離乳食をぶぶぶーーーって口から飛ばしたり、心ゆくまでコロコロ転がって遊んだり、ぎゃーーーん!!!と全力で泣いてクタっと寝たりしているので、このまま育ってくれればいいです(笑)。

あーかわいい。ではそろそろ仕事しましょうかね。

※この記事は、以前noteに掲載していたものです

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